今回のブログは、アートと健康の関係性とCORUNUMの活動意義がテーマとなっております。アート、健康、CORUNUM、交流会、絵画について、興味のある方はぜひお読みください。
健康とは…
アートと健康の関係性についてお話しする前にまずは健康について書いてみます!
みなさんは、「健康」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
「元気な状態」
「早寝早起き朝ごはん」
「食事,睡眠,運動,休養」
「ジムにいく」
「野菜摂取」
「一日一万歩歩く」
「規則正しい生活」
「人と話す」
「日光浴・森林浴」
など様々なのではないでしょうか?もしかしたら、この中のどれでもないかもしれません。
少し前ですが,1948年の世界保健機構(WHO)憲章(公益財団法人日本WHO協会の訳参照)によると
健康とは,「単に身体的に病気がないとか身体が弱くないことではなく、肉体的 (=身体的)にも、精神的にも、社会的にも完全に調和のとれたよい状態」
以上のように定義されています。その意味は総合的になり、基準は、上昇しているとも解釈できます。であるとすると、様々な人が様々な環境にいる中で、完全な健康なんて夢のまた夢、絵に描いたもちのように思われます。また、目指し続ける状態というのが現実的なようにも思います。
しかし、健康を達成した運の良い状態が限定的になる一方で、多面的になった健康に関与する活動やその対象は、拡大しているかもしれません。
2019年の同機関(WHO)の報告書によると、芸術は健康と福祉の向上に重要な役割を果たしていることが示されています。3000件以上の研究が分析され、芸術が疾病予防、健康増進、病気の管理および治療に大きく貢献していることが明らかになりました 1) 2)。
具体的にどのような効果があるのか、健康を構成する3つの観点から書きます。
身体的健康:
音楽療法は痛みの管理や心拍数の安定に効果的であり、ダンスはパーキンソン病患者の運動能力を向上させます1)。
精神的健康:
ドラマセラピーやビジュアルアートは、ストレスの軽減や感情の表現を助け、うつ病や不安症の治療に有効です1)。
社会的健康:
芸術活動は、社会的つながりを強化し、孤立感を軽減する効果があります1)。
また、報告書は、芸術により、個人または、コミュニティレベルでの芸術への関与を促進し、健康分野と教育、社会福祉分野との連携を強化することを推奨しています2)。
このように、健康に寄与する活動やその対象者(疾病予防、健康増進も効果に含まれ、対象は疾病の有無に関わらない)の幅は広がっており、芸術は、総合的な健康と福祉の向上に重要な役割を果たすようです。単に娯楽でなく機能的な側面も持つアートには驚きですね。
CORUNUMのアートと健康に寄与するアート
CORUNUMはアートを軸とする学生中心のNPO法人です。複数ある事業のうち、交流会事業、絵画事業では、大まかにいうと、創作活動を通して、高齢者や子どもと関わっています。
創作活動(絵を描く、物を作るなど)は、WHOの報告書をもとにすると、以下のような効果があると考えられます。
・精神的健康への影響について
描画・創作: これらの活動は、創造的な表現を通じてストレスを軽減し、感情の表出を促進します。特に高齢者においては、記憶力や認知機能の改善、孤独感の軽減に寄与することが示されています1)。
子どもに対して: 創作活動は情緒の発達を助け、自尊心を向上させます。自己表現の機会を提供することで、感情の理解と調整が促進されます1)。
・社会的つながりの促進について
グループでの創作活動: 共同での芸術活動は、社会的なつながりを強化し、コミュニティの一体感を作ります。これにより、孤立感が軽減され、社会的支援ネットワークが強化されます 2)。
CORUNUMの活動は、WHOの報告する健康と福祉の向上に向けた芸術と一致する部分があるようです。
CORUNUMの活動紹介と
その意義
CORUNUMの事業の一つである交流会事業では、創作活動を取り入れ、高齢者や子どもと交流しています。
例えば、CORUNUMは、5月に「魚釣りゲーム」を実施しました。これは、各参加者で色付けした魚をターゲットとし、水中をテーマに創作した画用紙の海から釣り上げる遊びです。魚の塗り方、配色、海のデザインなどは、自己表現を促す可能性があります。また、特に海の創作については、グループで行うため、人との繋がりを形成するかもしれません。
私自身も参加させていただき、童心に帰って楽しみました。体感としても、ポジティブな気持ちが生じるので、健康に良さそうだなと思います。
【アートと健康の関係性】まとめ
今回のブログではCORUNUMのテーマであるアートと健康の関係性についてお話しいたしました!
CORUNUMの「魚釣りゲーム」は、精神的健康、社会的健康との関連が期待できます。交流活動には、それ自体の楽しさだけでなく、ささやかながら関わった人々の健康に寄与するといった意義も見いだせそうです。
最後に、他の活動も健康に寄与するアートの要素も含んでいるかもしれませんが、今回私の所属する交流会の活動、かつ、私が参加した企画という非常に狭い範囲で紹介させていただきました。しかし、健康には多面性があります。
読んでいただいた皆様自身が携わった活動にも、健康要素が含まれているかもしれません。アートと健康の関係性について詳しくなった皆さん!ぜひ探して見てください。
1)World Health Organization (WHO):https://www.who.int/news/item/25-09-2023-ground-breaking-research-series-on-health-benefits-of-the-arts
2)NeuroArts Blueprint:https://neuroartsblueprint.org/image-aligned-left/