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世代間交流の事例は?−メリット・デメリット,成功のポイントについて−



世代間交流のイメージ



世代間交流と聞くと、どのようなイメージを持ちますか? 


「若者にとっては豊富な知識や経験を学べる機会」「高齢の方にとっては刺激的で元気をもらえる機会」といったポジティブな印象を持つ方もいれば、


「価値観の違いで戸惑うこともあるのでは?」「疲れてしまうのでは?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。 

 

実際のところ、世代を超えた交流はどのような様子なのでしょうか? 


今回は、SOMPOケア そんぽの家 葛西で開催した 第3回多世代間交流イベントの様子をお伝えしながら、その魅力に迫ります! 





 



 

世代間交流の事例


鬼退治ゲームで大盛り上がり!

 

2月といえば「節分」! 

邪気を追い払い,福を呼び込む意味合いのあるこのイベント,豆をまくという形態をとったのは,江戸時代からなのだそうです


異世代間での交流には,どちらの世代にも馴染みがあるであろう伝統的定番行事を,1つは取り入れたいですよね!古き良き風習が受け継がれていることに感謝です。


 


ちぎった折り紙で鬼の顔を作る様子

①    鬼の顔を作ろう!


まずは、みんなで「千切り絵」を使って鬼の顔を作成。 

 

「細かくちぎって隙間なく敷き詰めるグループ」

「大胆に色を散りばめるグループ」

「背景まで装飾して華やかにするグループ」

 

取り組みは様々,華やかな作品ができました!

 

②    鬼退治玉入れ!


赤鬼チームと青鬼チームに分かれ、新聞紙を丸めて作った「豆」を投げ、鬼の口に入れるゲームをしました。 

 

もう一回やりたい!」 

 

子どもの声に、私たちも笑顔で応え、一体感があったなと思います。 

新聞ボールが大きすぎて,口に入れるのが意外と難しい局面もありましたが,

粒の大きい豆は邪気をはらう力も大きいとの言い伝えもあるようで,

見た目以上に手応えのある遊びだったかなと思います。


ご入居者さまに応援されて,お子様が果敢にトライする様子が印象的でした。

 


 


言葉づくりゲーム

 

次に挑戦したのは 「言葉づくり」。 

バラバラに並べたひらがなを使って、テーマに沿った言葉を作ります! 

 


言葉づくりの様子

「少ない文字数でたくさんの単語を作るチーム」

「自由な発想でテーマの枠に捉われない単語を考えるチーム」

「役割分担をしながら協力して進めるチーム」

 

初めはグループ全員で考え込む様子が見られましたが、徐々にコツをつかみ、最後のテーマでは 12単語を作成したチームも!

ひらめいた瞬間チーム全体が湧くなど,想像より盛り上がってよかったです。

 


 


世代間交流の心理的効果とは?

 

今回のイベントを振り返ると、

世代間交流にはさまざまな 心理的・社会的なメリット があることを改めて実感しました。 

 

高齢者にとってのメリット 

 

主観的幸福感
鶴羽・積山(2024)を元にした主観的幸福感に影響をもらす要因のイメージ図

高齢者の主観的幸福に対する,気晴らしや肯定的解釈,異世代との交流頻度,世代性による影響を分析した研究(鶴羽・積山)があります。


「気晴らし」や「同世代との交流頻度」と比較すると

「世代性」(高齢者が次世代を担う若者に対して利他的な行動をする)や

「異世代との交流頻度」「肯定的解釈」が重要であることが示唆されています。


健康状態や人間関係など研究対象となった人々の状況は異なりますが,

異世代との交流は,世代性という観点から高齢者の幸福感にとって重要になりそうですね。

 




若者・子どもにとってのメリット

世代間交流の子どもにとっての利点
東洋経済

高齢者が子どもたちに読み聞かせを教えるといった内容の交流を行なった後,子どもたちにインタビューやアンケート調査を行なったところ,聞き取りにくさを考えた話し方といった,共感性の高まりが見られたという報告(洋経済education × ICT編集部)があります。


また,高校生を対象として調査では,世代交流の経験がある人の生徒とそうでない生徒を比較すると,前者の方が,自己効力感が向上していることを明らかにされています。




 

さいごに


確かに,「楽しかったよ」と笑顔で言ってくださるご入居者さまには,見守ってくださる感じがして,イベント運営に自信をもてる瞬間があります。


しかし,世代交流の場をつくるだけでなく,異世代間での関係が親密になるよう調節することも大切だという指摘もあります。

 

これらの課題を踏まえ、「交流会のデザインを工夫すること」が重要だと感じました。 

 

例えば、グループ内の年代が様々になるよう座席を調整する,世代間での交流が必要な企画を実施するなど,双方が自然に関われる環境づくりがポイントになりそうです! 


 



これからも、みなさんと一緒に幅広い年代に楽しんでいただける交流会を続けていければと思います! 

 

次回のイベントもお楽しみに 

 




 


参考: 


大庭ら(2024)「計量テキスト分析による一般市民の世代間交流の認識に関する検討」―高齢者と子どもにとっての良い点と悪い点に着目して―

 

鶴羽・積山(2024)「高齢者の主観的幸福に関連する心理行動要因」  ―世代性,異世代との交流頻度,コーピングスタイル

 

東洋経済education × ICT編集部(2024)『高齢者の力を生かす世代間交流、「共感性」が伸びる子と伸びない子の違いは「場を作るだけでは効果なし」必要な2つの要素』  https://toyokeizai.net/articles/-/729751

 

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