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地域社会と核家族化の関係性『地域社会は核家族化を解決できるのか 』

更新日:9月5日

こんにちは。国内営業担当の畑(はた)です。

日々ひどく暑くて、「もう毎日夕飯は素麺でいいよね。」なんて思ってしまう筆者ですが、皆さんは体調など変わりなくお過ごしでしょうか。


さて、今回のブログでは地域社会と核家族化をテーマに「核家族化の現状を分析!地域社会は核家族化を解決できるのか」についてお話ししていきたいと思います。


家族が公園で遊んでいる写真


■本文の前に


内容をすすめる前に、テーマに対して筆者の思いを少し綴らせてください。

私は現在、3才児を育てるお母さんであり、社会人として勤労もしています。

育てている子供はまだひとりだし実家も近いけれど、仕事をしながら子供を育て、家庭のこともやりくりするのはとても大変・・・。


夫や両親は頼れるけれど、地域に本音を吐き合える存在がさらにいたら、もっと生きるのが楽になったり楽しくなるのになぁ~と思ったり。


そういうわけで、かねてから「家族×地域社会」の問題について思うところがありました。

1個人から1家庭(そして母親)になって、社会が抱える問題の真ん中に立つ当事者になったという変化が大きいですし、当事者であるがゆえに問題に対する温度感も高いです。


結果、●●について一般的には~、世間のデータとしては~といったことだけでなく個人の目線、つまり主観での見解を今回の執筆では多く交えております。

どうぞご理解いただけますと幸いです。


長くなってしまいましたが、次から本文にまいりましょう!



 

笑顔の母親と子供


 

①そもそも「核家族」ってなんだっけ


本テーマのメインキーワードでもある「核家族」

何となく意味は分かるけれど・・・厳密にはどういう家庭を指すんだっけ?と思われる方もいるのではないでしょうか。


定義を振り返ってみましょう。


核家族とは社会における家族形態の1つです。

夫婦のみ」「夫婦と未婚の子供」「父親または母親とその未婚の子供」の世帯を指します。




 

②核家族化の推移はどうなっているの


スマートフォンやSNSの普及、働き方や結婚への向き合い方、色々なことが時代と共に変化していますが、核家族の推移にも変化はあるのでしょうか。


以下の図は、令和2年国勢調査 「人口等基本集計結果」結果の概要 となります。


令和2年国勢調査 「人口等基本集計結果」結果の概要


図からは以下のような点が読み取れます。

2005年では 核家族:57.7% 単独世帯:29.5%

2020年では 核家族:54.2% 単独世帯:38.1%

⇒核家族は3.5%減少 単独世帯:8.6%上昇


核家族化は減少しているように見えるものの、単独世帯が増加していますね。

単独世帯は「世帯員が一人だけの世帯」を指しますが、その内訳として


A 高齢で配偶者を亡くして一人で暮らしている

B 結婚をせず、一人で暮らしている


のどちらの増加結果かは読み取れません。

世相としてA・B両方の増加の結果と分析します。


いずれにせよ、二世帯以上で暮らす大家族より小さい世帯が核家族なら、単独世帯は核家族より小さい単位ですから、最小単位が小さくなってしまっています。(大家族>核家族>単独世帯)

これについて筆者は「世帯の孤独化が進んでいる」と感じています。


白い部屋で泣いている女の子

 

③筆者が思う核家族のデメリット『孤独』


前述で世帯の孤独化加速についてお話しました。


高齢者が核家族から単独世帯化することで孤独を感じることは大いにあるかと思いますが、筆者は図で表すところでの「夫婦と子供から成る世帯」に属しますので、その目線から感じている孤独感について深掘りしていきます。


筆者が子供を産み、育ててみて感じたことがまさに『孤独』です。

一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、孤独を感じながらする育児を「孤育て(こそだて)」と呼んだりします。

以下に、執筆で孤育てについて参考にした記事をご紹介します。

 


その中からいくつか図を引用しました。

なお、参照先の記事は2024年5月に作成されたものですので、問題に対して最新状態の声を反映していると捉えてよさそうです。



孤育て経験の割合

孤育て経験の割合(職業別)

孤独を感じた時の子供の年齢

3つの図は上から順に、簡単にですが以下のことがわかります。

・男性より圧倒的に女性のほうが孤独を体感している

・働く親より、専業主婦の方が孤育てを感じやすい

・子供の年齢が小さい頃ほど孤独を感じやすい


男性の育休取得や男性の育児参加の文化が広がりつつあるといっても、女性のほうが主体で育児をする構図はすぐには変わらないでしょう。


また、記事内でも取り上げている0才児の育児についてです。筆者も、子供が0才の頃の生活が最も過酷だったように振り返ります。


交通事故レベルともいわれる出産を経験した母親は、身体の回復に時間がかかります。また、生まれたばかりの新生児は2〜3時間おきの授乳が約3ヶ月ほど続くことから慢性的な睡眠不足になり、産後すぐに働くことができないどころかストレスが増大しやすいのです。

勤務時間内に育児に協力的なリモート勤務者や、育休を何ヶ月も取っている夫はまだほとんどいないであろうという前提から、産後の最も心身を回復させるべき時期でも母親が独りで赤ん坊のお世話をしているのが現状かと思います。


テーマである『孤独』と結びつくのは、会話したりコミュニケーションを取ることがまだできない乳児を独りきりで面倒を見る、という点です。


日中に散歩先で立ち寄るコンビニやスーパーの店員と会話できたら良いほうで、夫の帰宅まで誰とも何も話さなかった・・・というお母さんは珍しくないでしょう。実家が遠方であればなおのこと。


そうした環境から、当事者は社会と切り離されている認識が深くなってしまいます。


やがて心身が安定し、就労できる=子供を保育施設に預けられることになるのは恐らく1才前後。専業主婦の方が預ける幼稚園なら2才以降くらい。


子供と離れる時間ができると、自分の時間も取りやすくなり育児ストレスおよび孤独感は軽減するでしょうから、0才を最大として順次グラフの数値は減少しているのだと思います。


孤独が嫌であれば、両親が離れていても電話で話をするとか、市区町村が開く地域センターに出向き子供同士を遊ばせたり、育児の悩みを専門家に聞いてもらったりすればいいじゃないか。と思われる方もいるでしょうか。


ひとりは寂しいと嘆くお年寄りにも同様のことは言えそうですね。

まさに正論です。行政は孤独化を防ぐために様々なコンテンツを用意してくれていると思います。

ですが、時に正論がまかり通らない、実行できない場合はありますよね。


睡眠不足で、子供やお世話グッズを抱えて地域センターまで移動するのが難しい。


足腰が痛くて老人会に参加できなくなってしまった。


楽になれる手段が分かっているのに、実行する体力気力が湧かない。


など、挙げればいくつも思い浮かびます。

さらに、解消のためのコンテンツがあったところで、問題を抱えたユーザー側から自主的に働きかけないと(参加しなければ)解決に至りにくいのが厄介なところだと感じています。


 


④地域による孤独への働きかけ ~地域社会と核家族化についての取り組み~


③では、孤独は解消できるかもしれないけれど当事者側から動かなければ解決に至らないし、そこがボトムネックである、とお伝えしました。

ですので、希望として平たく言ってしまえば「こっちは待っているだけでよく、あっち側から来てほしい」ということになります。


近年、「あっち側から来てくれるサービス」は増えたように思います。

移動式スーパーが思いつく一例です。遠くまでの買い物が困難になったお年寄りが気軽に生活用品を購入できるだけでなく、コミュニケーションや防犯の役割も果たしているとのことです。


また、乳幼児を育てる家庭に向けた「あっち側からサービス」も、地域によっては存在します。

乳幼児おむつ便(三重・菰野町)、見守りおむつ宅配便(三重県東近江市)と呼ばれるサービスで、乳幼児用のおむつを届けつつ、直接手渡しすることで会話が生まれ保育者の孤独感を軽減してくれる、というものです。

こういったサービスの全てを調査しておらず、たまたま関西エリアの記事が見つけやすかったことを断っておきます。


少子化が進む都市部地域が対策として打ち出していることもあるかと思いますし、人口減少を阻止すべく首都圏から離れた地方が実施していることもあるでしょう。

したがって、サービスの提供はあくまで地域により、このエリアが特筆して多いといったことは判断できませんでした。


 

⑤まとめ お節介のパワー


今回、


・核家族化は減少して見えるが、単独世帯が増加している

・単独世帯におけるデメリットは『孤独』だと分析する

・地域によって孤独化を軽減しうるサービスは存在するが、地域差があるかは不明だった


ということを共有してきました。


残念ながら筆者が住むエリアには先述したような「あっち側からサービス」はない認識ですが、もし乳児を育てた頃にそういったサービスを教授できていたら、精神的にかなり救いになっていたのかな、と思ってしまいます。


一方、自分の家庭にはそのようなサービスは不要で、かえってお節介だわ!と感じる世帯もあることでしょう。


しかし、筆者が思う『孤独』に有効なパワーのひとつが「お節介」なのです。


混雑した公共交通機関で席を譲ってもらった、泣ている子供を一緒にあやしてもらった、寝ている子と運ぶのが困難だったベビーカーを代わりに運んでもらった、など、誰かにとってお節介とも感じうる行為に、筆者は何度も救われてきました。時には涙が出てしまうほどに。


余裕がないと中々に難しいですが、行政や個人で、お節介なサービスや行いが増えてくれたら良いサイクルに回ることもあるのでは、と筆者は想像します。

お節介を受けた人が、次の誰かのために優しくしてあげたいと思うことができるのではないでしょうか。


断わられてもいいから、もし受けて嬉しいと感じる方のために、今日も筆者はお節介できるポイントを探します。


ここ10年ほどでSNSが瞬く間に普及したと実感しています。

勝手ながら、自分の居場所確保や孤独感を軽減するために、身近な者以外とのコンタクトを取っているように見受けられることもあります。


恐らく、単独世帯の増加や少子化が進むことはしばらく止められないとは感じますが、どの年代や家庭に対しても孤独の体感が減り、健やかな日々を送っていただけたらと願うばかりです



笑顔でソファーに座る家族

 

■参照(各概要№とリンク)




https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000129.000016981.html 「7割以上の女性が子育て中に「孤独・孤立」を実感  PIAZZA、子育て経験者998名に「孤育て経験」に関する調査を実施」


https://www.asahi.com/articles/ASS1P6WL6S1LONFB008.html 「「乳児用おむつ便」 ママの孤立防止にも 三重・菰野町でスタート」


https://www.city.higashiomi.shiga.jp/0000006889.html 「見守りおむつ宅配便(乳児おむつ等支給事業)」


 






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